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COLUMN

2021.5.28

同じなようで違う!ウイルスと細菌の違いについて

ウイルスと細菌

「ウイルス」と「細菌」は同じものとして捉えられがちですが、実は全くの別物であることをご存知ですか?
どちらも私たちの目では確認することができないため、そう捉えられてしまうのも無理はないでしょう。
今回は、そんなウイルスと細菌の違いについてご紹介していきます。

生物かそうでないか

どちらも人間に感染する微生物であることに間違いは無いのですが、明らかな違いと言えるのは「細菌は生物」であり、「ウイルスは生物とは断言できない」ということです。
生物学者の多くが認定している生物の定義として3つの条件があります。
1つ目は「体に膜があり、体と外界が仕切られているか」、2つ目は「エネルギーを使って代謝を行っているか」、3つ目は「子孫(複製)を自分で残すことができるか」の3つになります。
細菌はこの3つの条件をすべて満たしているため「生物」として認められるのですが、ウイルスは2つ目のエネルギー代謝に関しての活動を行わないため、「生物である」とは言い切れないのです。
同じように生物として捉えられがちですが、厳密に言うとウイルスは生物ではないと考えられます。

大きさの違い

大きさの違い

細菌もウイルスもとても小さいため、どちらも肉眼で確認することはできません。

細菌

細菌は細胞をもっており、自分の複製をつくることができる微生物です。
非常に小さいですが、光学顕微鏡を用いてその姿を確認することができます。
そのサイズとしては1mmの1000分の1くらいの大きさで、「μm(マイクロメートル)」の単位で表されます。

ウイルス

ウイルスは遺伝子を内部にもち、たんぱく質でできた外殻をまとった単純構造の微生物です。
栄養摂取を行い、エネルギーを生み出すような代謝の活動は行いません。
ウイルスのサイズは細菌以上に小さめで「μm(マイクロメートル)」の1000分の1である「nm(ナノメートル)」の単位を用いて大きさを表します。
ウイルスの姿は電子顕微鏡を用いることで確認することができます。

増殖の違い

増殖の違いを見ていきましょう。

細菌

細菌は適した環境の元、水に加えて糖や脂肪などの栄養分があれば、自分自身で増殖していくことができます。

ウイルス

ウイルスの場合は水や栄養分があっても、ウイルスのみでは生きることができません。
ウイルスは自分だけでは増殖することができず、生きた細胞内でしか増殖することができないのです。
そのためほかの生物に住みつき、自己の複製を行うことで増殖していきます。
細胞に住みついたウイルスは増殖を広げ、最終的には細胞の外に溢れてしまうため、宿主となる細胞は死滅します。
つまりウイルスが生き残るためには、ほかの生物に感染させ続けなければならないのです。

治療法の違い

治療法の違い

治療法の違いについても見ていきましょう。

細菌

一般的には、細菌の細胞を攻撃する効果のある抗生物質を用いて治療を行います。
抗生物質は「人間にも影響があるのでは?」と思われがちですが、原核細胞である細菌のみに対して効果がある薬であるため、人の治療に用いても問題ありません。

ウイルス

抗生物質では治療を行うことができません。
ただ、ウイルスが増殖することを抑える薬である「抗ウイルス剤」を用いられることもあります。
また、ウイルス治療でよく耳にする「ワクチン」とは、無毒のウイルスをあえて体内に送り込んで免疫をつけさせ、実際にウイルスに感染した際にその増殖を抑えることができるものになります。

おわりに

今回は、ウイルスと細菌の違いについてご紹介しました。
ウイルスと細菌の違いについて各項目に分けて見てみると、大きく違いが出ることが分かりました。
一番の違いとして細菌は生物ですが、ウイルスは生物とは断言できないということ。
同じ微生物ではありますが、その生態は全く異なるものであることを押さえておくと良いでしょう。

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著者情報

空気とニオイのお役立ち情報編集部

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