COLUMN
2020.11.27
除菌と消毒について 2つの違いとは?
知っているようで知らないのが「消毒」と「除菌」の違いです。
どちらも似たような言葉として捉えられていることが多いため、その違いを説明できる方は少ないのではないでしょうか?
一括りにされがちですが、この2つの単語はそれぞれに違う意味を持っています。
今回は、「消毒」・「除菌」の2つの違いについてご紹介します。
消毒の定義とは?
手洗いをした後や擦り傷を付けた後に行う「消毒」。
これはウイルス・菌を無毒化させることを意味しています。
ただ「消毒」を行うことはあくまでも、人の体に害の無いようにウイルスや菌を無毒化させることなのです。
そのため、消毒を行うだけでは完璧に死滅させる状態にはなっていないため注意が必要です。
製品においては、薬機法に基づいて有効性・安全性が認められているもののみ「医薬品・医薬部外品」の名称がつけられています。
現在行われている消毒法
新型コロナウイルスが流行している現在では、「JR東日本」「JR西日本」での車内清掃時に握り棒や吊り手など人の手が触れる部分の消毒が行われています。
また人の出入りが多く、滞在時間も長くなりがちな飲食店やカラオケ店では、テーブルに消毒液を置くなど感染対策を行う店舗が目立ちます。
もしもウイルス・菌が体に侵入しても、消毒を行っていれば無害化することが可能なためです。
除菌の定義とは?
一方で「除菌」は、ウイルス・菌の繁殖を一定の間のみ抑えることができることを意味しています。
「消毒」とは逆で、「医薬品・医薬部外品」以外の製品に表記されることが多く見られる表現です。
その理由としては、薬機法上で医薬品ではない製品には「消毒」「殺菌」などの単語が使えないことが決められているためです。
しかし実際のところ「消毒」と同じように無毒化できる製品もあります。
「除菌」というものは、作られる製品によってその効果の基準にバラつきがあることが多いのです。
ちなみに「除菌」は菌が表面から減少すれば成立する言葉であるため、洗えば何度でも使える布マスクは除菌状態での使用であると言えるでしょう。
ウエットティッシュの消毒・除菌の違いは?
市販で売られているウエットティッシュにも「消毒」や「除菌」と表記されているものがあります。
こちらも先述した薬事法の内容と同じように「医薬品・医薬部外品」の表記方法が異なるという違いがあります。
また「除菌」に関して言えば、アルコール・ノンアルコール・純水のように成分が異なるものがあります。
肌が荒れやすいという方であれば、ノンアルコールや純水の成分を含んだウエットティッシュを選ぶのが良いでしょう。
消毒・除菌よりも予防効果の高い「手洗い」
「消毒」や「除菌」は、すべてのウイルス・菌に効果があるというわけではありません。
手指に付着したウイルス・菌の除去方法として最も効果が高いとされる対策は「手洗い」だと言われています。
15秒の水洗いだけで100分の1、石鹸での10秒間のもみ洗いと水のすすぎを15秒間行うと1万分の1にまでウイルスを減らすことができます。
おわりに
今回は、「消毒」・「除菌」の2つの違いについてご紹介しました。
ウイルスや菌に対して使う「消毒」と「除菌」には言葉の違いはもちろん、その効果にも大きな違いがあります。
消毒は「ウイルス・菌を無害化させること」、除菌は「ウイルス・菌が繁殖することを一定の間抑制すること」という違いがあります。
今後、このような製品を購入する際にはこの2つの違いに注目して選んでみても良いでしょう。
「消毒」・「除菌」の違いを理解してシチュエーションごとに製品を使い分けし、ウイルス・風邪対策を行ってみてはいかがでしょうか?