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COLUMN

2021.02.22

さまざまな分野で実用化されている光触媒の応用方法とは?

光触媒の応用

太陽・蛍光灯などの光を照射することで強い酸化力が生まれ、接触した細菌・有機化合物といった有害な物質を取り除くことができる「光触媒」。
これまでいろんな技術に光触媒が活用されてきました。
今回はすでに実用化されている・また実用化の期待が集まるさまざまな分野の光触媒応用方法をご紹介していきます。

農業関連

近年、野菜や果実類の栽培方法として、「養液栽培」が導入され始めています。
養液栽培は作物への養分管理が比較的簡単で、土中に潜む害虫・病気などの被害を受けにくくなるため、広く取り入れられるようになってきました。
しかし繰り返し栽培を続けていると、収穫量が徐々に減っていくことがあります。
これの原因として、養液栽培では水の循環方式がとられており、排水を行わないことが挙げられます。
循環方式の結果、培養液の中にバクテリア・細菌が発生して水質が落ちたり、生育阻害を引き起こす物質が作物から発見されたりといったトラブルが起きてしまいます。
このような場合に光触媒が用いられ、有害物質を取り除いて循環水を正しく処理するシステムが作り上げられているのです。
また無機物として捉えられるリン・窒素・カリウムといった栄養素類に関しては、除去せずに養液として再度使用することができます。
現在ではこの試験結果に基づいて、実用化も検討されてきています。

住宅関連

住宅関連

新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が行う「光触媒利用高機能住宅用部材プロジェクト」で光触媒を用いた住宅冷却システムが新たに開発されました。
光触媒を壁にコーティングさせ水を少量流すことで、薄い膜となって全体に広がっていき、水の蒸発効果を活かして住宅を冷却することができるという仕組みです。
新エネルギー・産業技術総合開発機構の報告では、この光触媒による住宅冷却システムによって住宅室内の温度が2℃下がり、空調も約20%抑えることができるという結果となりました。

医療関連

日本人の死因第一位として挙げられるのが「ガン」です。
そんなガン治療への対策として、酸化チタン光触媒が応用される可能性が高まっています。
実際に行われたマウス実験では、ガン細胞をもつマウスに酸化チタンの微粒子を注入し、紫外線を当てるとガン細胞の増殖が抑制されたという結果がでています。
光触媒を用いた治療では、紫外線を当てることでガン細胞が反応するため、反応が起きていることが分かりやすいというメリットがあります。
既存にある放射線治療との組み合わせで、新たなガン治療方法として実用化できるのではないかと言われています。

印刷関連

印刷関連

光触媒を利用した新たな印刷方法も注目されています。
光触媒を基板の上にコーティングして、その上からさらに「自己組織化単分子膜(SAM)」をコーティングします。
そこに紫外線を当てると、自己組織化単分子膜は光触媒により酸化分解されるため、表面部分が超親水性のものに変化します。
これによって新しくぬれ性パターンが完成し、オフセット印刷にも導入することができるのです。
光触媒を用いた印刷では、全面的に紫外線を当て自己組織化単分子膜をすべて分解することで初めの状態にリセットすることができます。
そのため、何度でも印刷に使うことができるというメリットがあるのです。
現段階は研究途中ですが、光触媒の印刷方法で印刷コスト削減・資源保護にもつながることが期待されています。

おわりに

今回はすでに実用化されている・また実用化の期待が集まるさまざまな分野の光触媒応用方法をご紹介しました。
光触媒の応用方法には私たちの生活に寄り添ったものが多く、近い将来に実現されるものも数多くあるでしょう。
今回の内容を参考に光触媒への知識を深めてより身近なものとしての理解を深めていきましょう。

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